オーストラリアに来る留学生のほとんどは、現地でバイト(就労)をすることが許可されています。(学生ビザ・ワーホリビザの方対象) 勉強をしながらお金も稼ぐことができるということは、オーストラリア留学の魅力の一つですが、何といっても海外でのバイト探しは日本のそれとは一味違います。ブリスベンオフィスにいらっしゃる留学生の悩みのテーマ「No.1」と言っても過言ではないバイト探し。英語での文書作成や、面接アポGETまでの道のりが思った以上に大変だったという人も少なくありません。
こちらの記事では、現地でのバイト探しのコツと、誰もが一度はぶつかる壁、英語でのカバーレター&レジュメ作成方法について解説したいと思います。
1.オーストラリアでのバイト探しのコツ
雑誌やウェブに掲載されている求人は全体の求人数のごく一部
日本だと、タウンワークやバイト求人検索のウェブサイトを見れば、どの店にどういった求人がでているのかすぐに分かりますよね。しかし、オーストラリアは違います。知人からの紹介で面接にこぎつけたり、店に直接出向いてレジュメを配る、という方法がバイト探しの基本。求人が掲載されているフリーペーパーはほぼ皆無で、バイトの求人サイトを利用して求人をしている企業はごく一部です。数多くの面接のチャンスをゲットするには、自分の足で店まで出向いてレジュメを配ることが必須なのです。
「今日はこのストリートの店に全部配るぞ」というように、できるだけ多くの店にアタックしてみてください。最初はとても緊張すると思いますが、次第に慣れてきますよ。
バイト探しのその前に!最低限の準備できてますか?
バイト探しの前のチェックリスト
英語のレジュメ(応募先によっては日本語のレジュメ)の作成
下記にて解説します。
英語のカバーレターの作成
下記にて解説します。
TAXファイルナンバー(TFN)の取得
オーストラリアの税務署であるATOのサイトからTax File Numberの取得手続きができます。手続きを終えてから1ヵ月以内に指定した住所に郵便でTFNが送られてきます。
RSA(アルコール取扱いの資格)の取得
オーストラリアでは、飲食店などでアルコールを提供するサービスに従事する人はRSAという資格を所持していないといけません。アルコールを取り扱っている店で働く可能性のある人は必ず取得しておきましょう。1日の講座で資格取得できるコースや、オンラインのコースを利用するのが一般的です。
携帯電話(連絡先)の取得
オーストラリアでは、面接の連絡等は、SNSや電話を使う人がほとんどです。電話にでられなかった時のためにも、ボイスメール(留守電)のメッセージは必ず登録しておきましょう。
オーストラリアでローカル(日系・アジア系企業以外の企業)の仕事を見つけるのに使えるサイト
前述のように、知人からの紹介や直接レジュメを配りに行くのが主流ですが、これは初めて仕事探しをする留学生にとってはとてもハードルが高いこと。以下のサイトで求人を検索することができるので、チェックしてみてください。
サイト名 | URL | 特徴 |
Seek.com | https://www.seek.com.au/ | 最も有名な求人サイト。オーストラリア人もよく利用する。フルタイム正社員の仕事も掲載されている。 |
Gumtree | https://www.gumtree.com.au/ | 誰でも気軽に広告を掲載できるので、Seek.comよりもカジュアルな仕事の掲載が多いため、留学生が狙える仕事も多い。 |
日本人が狙える仕事を探すコツ
英語が完ぺきではない留学生がローカルの仕事を探すとなると、英語力(コミュニケーション力)が不十分でもなんとかなる仕事を狙う方が現実的です。また、企業側にとってみれば、留学生のビザでも雇える仕事(短期で入れ替わってもいい仕事)かどうかというのも重要になってきます。
上記を踏まえると、留学生が現実的に仕事を探すときに狙い目なのが以下の職種です。
英語力上級者:飲食店のウェイター・ウェイトレス、 英語力初級~中級者:ハウスキーピング(ホテルや一般の家の清掃員)、カーウォッシュ(車の洗車)、オーペア(住み込みのベビーシッター)、ナニー(ベビーシッター)、キッチンハンド(簡単な調理)、ディッシュウォッシャー(皿洗い)など |
サイトで検索するときのおすすめキーワード
‘Japanese’ ‘waitress’ ‘housekeeping’ ‘Food and Beverage’ ‘car wash’ ‘Au Pair’ ‘Nanny’ ‘Kitchen hand’ ‘Dish washing’ |
オーストラリア現地にある日系企業のバイト探しなら
日豪プレス を利用してバイト情報を検索する人がほとんどです。
日ごろからサイトをチェックして、自分が滞在する都市にどのような求人がでているのかを知っておくとよいでしょう。長年滞在している日本人の中には、自分の地域の日系求人情報を熟知しており、応募のチャンスがあるかを常にチェックしている人もいます。どんな求人があるのかを知っておけば、応募の準備ができ、すぐに面接までのプロセスに辿り着くことができるので、渡航前でもこちらのサイトを見ておくことをお勧めします。
2.英語のカバーレターの作り方
カバーレターとは
日本のバイト探しには馴染みのない「カバーレター」という文書。オーストラリアでバイトを探すときはよく耳にするかと思います。これは、「レジュメの総括、レジュメを見てもらうための自己紹介文」と考えてください。「レジュメの中でもここを見てほしい!」というポイントを強調したり、文章で人となりをアピールしたりできます。日本の就活でいうと、自由記載のエントリーシートのようなものですね!
カバーレターは絶対作成しないといけないの?
日本人留学生にとっては未知の存在、カバーレター。日系企業の求人に応募するとき(採用担当が日本人の場合)や、カジュアルな仕事なら特にいらないのでは、という声もあります。実際、カバーレターがなくてもレジュメは見てもらえることもありますし、仕事を無事GETできたという話もよく聞きます。
しかし、やはりカバーレターの作成はできるだけした方がいいと思います。カバーレターはレジュメの総括ですので、そのまま面接の時に伝えたい事柄の反復にもなりますし、なにより、オーストラリアの就活文化を分かっている、というアピールにもなります。
読まれなければそれでも良し。無くて印象が悪くなるよりも英語の勉強だと思って頑張って作成しましょう!
カバーレター例&解説 (オーストラリアでの職歴がない人版)
【宛名】日本語でいうと「担当者の方へ」。お決まりの宛名なので定型文として使用してOK
To Whom it May Concern,
【第一段落】=①基本情報 + ②志望動機 + ③就きたい仕事内容
■①は定型文として使用OK、②と③は自分で考えよう!
①My name is Gakunabi Aus. I am a Japanese native, in Australia on a Working Holiday Visa valid until February 2019. ②I am looking for an opportunity to practise and use my English skills and customer service skills in a professional environment. ③I am willing to fill any job position which will offer me this opportunity.
(訳)私の名前は学なびAUSです。私はオーストラリアに住む日本人で、2019年2月までワーキングホリデービザがあります。私は自分の英語力と接客スキルを社会で実際に使うチャンスを探しています。それができるならどのようなポジションの仕事でも喜んで取り組みます。
【第二段落】=④自分の人柄アピール + ⑤仕事上での自分のスキル・経験アピール + ⑥詳しくはレジュメを見てください
■④と⑤は自分で考えよう!アピールしたい経験があればここで記述。
■⑥は定型文として使用OK。また、AUSでの職歴がすでにある人は、どういう仕事をしているのかを記述するとよい。④I am an energetic person, have enthusiasm for work and love serving customers. ⑤I have 4 years’ experience of customer service in Japan. My brightness and positiveness allow me to make a pleasant atmosphere for both customers and colleagues. Also I have demonstrated my willingness to learn how to operate smoothly and perfectly through these roles.⑥Please find my resume attached for a list of my professional training, accomplishments and positions.
(訳)私はエネルギッシュで一生懸命仕事に取組み、お客さんにサービスを提供することが大好きです。日本では4年間の接客の仕事の経験があります。私は明るくポジティブなため、お客さんや他のスタッフといい関係を築くことが得意です。また、素早く完璧に仕事をこなすための努力は惜しみません。詳しくはレジュメの内容をご覧ください。
【第三段落】=⑦面接の機会をください + ⑧連絡先の説明 +⑨時間を取ってくれてありがとう、連絡が来るのを待っています
■⑦~⑨は定型文として使用OK
⑦I would very much appreciate if you would meet me personally for further discussion. ⑧Please contact me at your convenience. I can be reached at [##phone number]## or [email address]@hotmail.com. ⑨Thank you for your consideration. I look forward to hearing from you.
(訳)直接あってお話を聞いていただけるとうれしいです。ご都合の良い時にご連絡ください。電話番号 か Eメールアドレス に連絡してください。お時間を取っていただいてありがとうございます。連絡をいただけるのを楽しみにしています。
【締め】
Sincerely, ■定型文として使用OK
Gakunabi Aus
上記はあくまで一例ですが、記述する内容としては一般的なものです。自分の職歴やスキルに合わせて、ご自身のカバーレターを作成してみてください。前述しましたが、カバーレターはレジュメの総括ですので、方法としては、まずレジュメを書いてからカバーレターを書くとよいでしょう。レジュメの流れと違うことを言っていないか、レジュメの中でもアピールしたいポイントは記載されているかなどに注意をしながら記載するようにしましょう。
3. 英語のレジュメの作り方
オーストラリアのレジュメと日本の履歴書との違い
日本には、履歴書のフォーマットがありますが、オーストラリアは自由レイアウト。
見やすさを心がければ、どこに何を書いてもかまいません。ですので、基本的にはパソコンの文書作成ツール(Wordなど)でレジュメを作成することになります。通常、パソコンの文書作成ツールにはResume というテンプレートがいくつかあり、枠や基本的な項目などがあらかじめ設定されているものがあります。それを利用すると、手軽に見た目のいいレジュメが作成できるので、ぜひ活用しましょう。長いと採用側も読むのが大変なので、ボリュームは2枚以内に留めるよう心がけましょう。
レジュメの例&解説
*訳は省略しています
【名前+基本情報】
Gakunabi Aus
Address: 243 Edward street, Brisbane city
Phone : ## Number
E-mail : ## email address
【志望動機】2,3行で簡潔に志望動機を記述する
Objectives
To gain a position that will allow me to utilise both my English communication skills and my customer service skills in an effective manner.
(訳)英語でのコミュニケーションスキルと接客スキルを活かせるポジションを得ること
【経験リスト】
■一番最近の職務経験から記述する。(現在→過去)
■勤務経験のリストの記述の仕方【ポジション名、会社名 (勤務時期、勤務場所)】
■仕事内容の説明、達成したことなどを箇条書きで記述する。Experience
Reservation Coordinator, 会社名(March 2015 – February 2018, Tokyo, Japan)
- Responsible for booking accommodation and tours in Japan for Japanese tourists
- Ensured all customers needs were addressed for their arrival (i.e. Allergies, illnesses, pregnancy)
- Organised special considerations for clients to ensure their holiday was perfect (i.e. birthday surprises)
Waitress, Garden PUB (October 2013 – March 2015, Osaka. Japan)
- General customer service duties included taking orders, taking payment at the register and creating a pleasant atmosphere for local customers
- Learned to be bright and positive when approaching customers
- Competed with other branches as a team and won at drink sales in 2014.
- Served customers from different countries.
【学歴】
■高校卒業以降に学歴がある場合(専門学校・大学など)は、高校以前は記述不要
■学歴のリストの記述の仕方は【学位、大学、卒業年】Education
Bachelor of Business, ○○ University, March 2010
【語学力】
■英語力は指標になるものがあれば記載する。なければIntermediate、Advancedなどを使用する
Language Skills
Native Japanese Speaker, English Proficiency ( Advnced, TOEIC 850/990 )
【人柄・スキル】
■人柄・職歴に沿ったスキル・語学スキル・活かせる資格 などを記載する
Skills
- Responsible, hardworking and punctual
- Experienced in customer service and cash handling
- Strong level of communication skills in both English and Japanese
- Current RSA (Feb 2014)
【レファレンス(照会先)】
■オーストラリアで職歴がある場合は記載した方がよい
■日本に職歴がある場合は、Available on request(リクエストされたら情報提供します)でOKReferences
Available on request
4. おわりに
いかがでしたか?
カバーレターやレジュメの作成のテンプレート例を紹介しましたが、自分で考える部分については、学校の先生や友だちに表現をチェックしてもらうといいでしょう。
この記事がみなさんのオーストラリアでのバイト探しに少しでも役に立てれば幸いです。